日本語には、「英語っぽく」聞こえるけれど、実は英語圏では通じない「和製英語」が多く存在します。本稿では、そんな和製英語の代表例10個を取り上げ、それぞれの語源的背景や、本来の英語表現との違いを紹介します。
目次
1. サラリーマン(salaryman)
意味:会社勤めの男性
英語では:office worker / business person
「salary(給料)」+「man(人)」という形ですが、英語には “salaryman” という語は存在しません。英語では職種や立場を明示して「office worker」「white-collar worker」などと表現します。
2. コンセント(consent)
意味:電気の差し込み口
英語では:electrical outlet / socket
「consent」は英語で「同意」の意味。日本語の「コンセント」は、もともと「concentric plug(同心円型プラグ)」の略から来たとも言われています。
3. マンション(mansion)
意味:集合住宅(特に中高級)
英語では:apartment / condominium
英語の “mansion” は「大邸宅・豪邸」を意味します。日本で言う「マンション」は “condominium” や “apartment” にあたります。
4. ペットボトル(PET bottle)
意味:プラスチック製の飲料容器
「PET」は「Polyethylene Terephthalate(ポリエチレンテレフタレート)」の略で、素材名。英語圏で「PET bottle」と言ってもあまり通じません。
5. クレーム(claim)
意味:苦情、文句
英語では:complaint
英語の「claim」は「主張する」「請求する」の意味で、顧客からの「苦情」は “complaint” が一般的です。
6. オードブル(hors d’oeuvre)
意味:前菜
英語では:appetizer
フランス語の「hors d’oeuvre(オール・ドゥーブル)」が元ですが、日本語では発音が変化。英語では “appetizer” が一般的です。
7. フロント(front)
意味:受付、窓口
英語では:reception desk / front desk
ホテルなどで「フロント」と言うと、日本語では通じますが、英語では “reception” や “front desk” と言います。
8. パソコン(personal computer)
意味:個人用コンピュータ
英語では:PC / computer
英語では「personal computer」を略した「PC」、もしくは単に「computer」と呼ぶのが一般的です。「パソコン」は和製略語です。
9. マイナスイオン(minus ion)
意味:空気中の健康に良いとされるイオン
英語では:negative ion(ただし科学的根拠は曖昧)
「minus ion」は和製英語で、英語では「negative ion」と言います。ただし、健康効果に関しては英語圏では疑似科学として見なされることもあります。
10. レンジ(range)
意味:電子レンジ
英語では:microwave / microwave oven
英語の「range」は「範囲」や「調理コンロ」の意味があり、「電子レンジ」は “microwave” と呼びます。
まとめ
今回ご紹介したように、和製英語は日本語としては定着していても、英語圏ではまったく通じないことがあります。語源や本来の意味を知ることで、より正確なコミュニケーションができるようになります。
他にも多くの和製英語が存在しています。興味があれば、当メディア「Goeiji」で、語源を掘り下げて学んでみてください。